店者
たなもの
名詞
標準
文例 · 用例
お店者の小僧のくせに、蕎麦屋へ来て天ぷらに霰とは、ばかに贅沢をきめるじゃあねえか。
— 大阪屋花鳥 『半七捕物帳』 青空文庫
だが、相手は店者だから、そう早くは出られめえ。
— 大阪屋花鳥 『半七捕物帳』 青空文庫
お店者ふうの若いものが徳次に押えられている。
— 大阪屋花鳥 『半七捕物帳』 青空文庫
第一若いお客といへば、まあお店者か独身ものの勤め人なんだから、深くでもなれば、お互ひの身の破滅ときまつてゐるんですからね。
— 徳田秋聲 『或売笑婦の話』 青空文庫
最近彼の運も少しは好くなつてゐたが、客として上つてくる若いお店者などを見ると、つい厭な気がして、弟の境涯を思ひやつた。
— 徳田秋聲 『或売笑婦の話』 青空文庫
と、お店者のたちまちぐんにゃりとなってしまったのはもちろんのことで――、ありがてえッ、気があるな、というようにとろんとなったところへ女はふうわり軽く近づくと、涼しい声でこんなふうにいったものでした。
— なぞの八卦見 『右門捕物帖』 青空文庫
――目にも止まらぬすばしっこさで、しなやかに美しい指先がぽんとお店者の胸をたたいたとみるまに、早くも懐中のぽってりと小判をのんでいるらしい一物はするり女の手先にすられて、音もなく左手のすぼめて持っている日傘の中にすべりおちました。
— なぞの八卦見 『右門捕物帖』 青空文庫
「ほほう、お店者でござるな」 指さきをちらりと見ると同時に、まずぴかりと右門流のおそろしいところをひろげはじめました。
— 左刺しの匕首 『右門捕物帖』 青空文庫