体性
たいせい
名詞
標準
文例 · 用例
文化存在の理解の要諦は、事実としての具体性を害うことなくありのままの生ける形態において把握することである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
具体性に富んだ意味は厳密には悟得の形で味会されるのである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
寧ろ名辞以前にこそ全体性はあるのである。
— 中原中也 『芸術論覚え書』 青空文庫
即ち、統一だの全体性だのと称ばれるものは、其処に欠乏してゐたのである。
— 中原中也 『よもやまの話』 青空文庫
また「無有入於無間」を「個体性のないものは連続的物質中に侵入する」と訳しているが、これは、何となく古典物理学のエーテルを云っているようで面白い。
— 寺田寅彦 『変った話』 青空文庫
この「愛弟通信」は、具体性に於て、際物的戦争小説の比ではない。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
これはね、曖眛な思想や信ずるに足りない体系に代るものとして、これだけは信ずるに足る具体性だと思ってやってるんですよ。
— 織田作之助 『世相』 青空文庫
といって極度の不安状態にも陥らず、何だか悟ったような悟らないような、若いのか年寄りなのか解らぬような曖な思想や信ずるに足りない体系に代るものとして、これだけは信ずるに足る具体性だと思ってやってるんですよ。
— 織田作之助 『世相』 青空文庫