獣半
じゅうはん
名詞
標準
文例 · 用例
一口に云うと、自分はこの時始めて、真面目な宗教心の種を見て、半獣半人の前にも厳格の念を起したんだろう。
— 夏目漱石 『坑夫』 青空文庫
暗い坑で、誰も人のいない所で、日の目も見ないで、鉱と同じようにころげ落ちて、それっきり忘れられるのは――案内の初さんにさえ忘れられるのは――よし見つかっても半獣半人の坑夫共に軽蔑されるのは無念である。
— 夏目漱石 『坑夫』 青空文庫
それは前述通りこの獣半男女また淫乱故とも、至って怯懦故とも(アボット、上出)、またこれを族霊として尊ぶ民に凶事を知らさんとて現わるる故(ゴム、上出)ともいう。
— 兎に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
しかしこれらはまだよい方で、「双玉の原」の北外れ、深い深い谷の底……「腐木の谷」よりもさらに深い、「黄泉の岩根」と呼ばれる谷には、半分獣半分人間の「獣人」どもが住んでいて、あらゆる邪悪の振る舞いをし、禍日の製造にいそしんでいた。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
もっぱら茶人とか俳人という現代に於ける半獣半神的人物が神つどいを催す席で、難民たちの多くはその存在すらも知らないなア。
— 宝塚女子占領軍――阪神の巻―― 『安吾の新日本地理』 青空文庫
もっとも小林一三さんの秘密の初志によると、半獣半神の神つどいに供するためではなくて、難民たちの風雅の会に供するためであったかも知れない。
— 宝塚女子占領軍――阪神の巻―― 『安吾の新日本地理』 青空文庫
あんな半獣半人の軍を敵にしていた日にはたまりません」と極力、引揚げをすすめた。
— 出師の巻 『三国志』 青空文庫
あの半獣半人がこの世に生れて来たのには、何か恐ろしい秘密があるのではないかと思います。
— 江戸川乱歩 『恐怖王』 青空文庫