武陵桃源
ぶりょうとうげん
名詞
標準
earthly paradise
文例 · 用例
シー、ピー、スクラインがパミールの岩山の奥に「幸福の谷」を発見した記事を読んだときに所謂武陵桃源の昔話も全くの空想ではないと思つたことであつたがその武陵桃源の手近な一つの標本を自分は今度雨の上高地に見出したやうである。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
シー・ピー・スクラインがパミールの岩山の奥に「幸福の谷」を発見した記事を読んだときにいわゆる武陵桃源の昔話も全くの空想ではないと思ったことであったが、その武陵桃源の手近な一つの標本を自分は今度雨の上高地に見出したようである。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
秋のことであったから花はないが、桃の咲く時分だったらさしずめ武陵桃源といった別天地はこれであろうとおもわれた。
— ――中支遊記―― 『余齢初旅』 青空文庫
澄み透るような静かな陽射し、このさまをみては武陵桃源という文字もありそうなことだと思うし、白髪の仙人が瑟をもった童児を従えている図も絵空ごととは思えない風景である。
— 上村松園 『中支遊記』 青空文庫
私達は島に來て、傳説的な想像は少しく幻滅しましたが、併し温暖な氣候と日光との中に、滿山の椿と水仙とを目にした實感は猶武陵桃源の趣がありました。
— 與謝野晶子 『初島紀行』 青空文庫
そんなかけ離れた武陵桃源境であるが為に、ここばかりはかつて天然痘もはいった事がない。
— 喜田貞吉 『「ケット」と「マット」』 青空文庫
況して武陵桃源とも称す可き土地などは、狭い山中にあり得可き筈がない。
— 木暮理太郎 『奥秩父』 青空文庫
常陸の水戸領の安寺持方は、早く知られたるその一つの例であって、近世になるまで結縄をもって文字に代え、人からは武陵桃源のごとく目せられていた。
— 柳田國男 『地名の研究』 青空文庫
作例 · 標準
この隠れ家のようなカフェは、まさに都会の喧騒から逃れる武陵桃源(ぶりょうとうげん)だ。
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小説で描かれる理想郷は、現実から隔絶された武陵桃源(ぶりょうとうげん)のようだった。
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「こんな静かで美しい場所が、この街のすぐ近くにあったなんて、まさに武陵桃源(ぶりょうとうげん)だね!」
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