一年有半
いちねんゆうはん
名詞
標準
Ichinen Yūhan (book by Nakae Chōmin)
文例 · 用例
君の印象記での覺えもあり、一年有半で讀んだ事もあり、何かしら大へんの所だと思つて居たが、あまり予の胸にはしつくりと來なかつた。
— 木下杢太郎 『京阪聞見録』 青空文庫
然し又、文壇の中央から離れ、幾多の親しい人達と別れて、北海の山河に漂泊した一年有半のうちの、或一時期に於ける野口君の動静を、最もよく知つてゐるのは、予の外に無いかとも思ふ。
— 石川啄木 『悲しき思出』 青空文庫
その間に私は『邪宗門』『思ひ出』『桐の花』等の詩歌集を出し、また雑誌『スバル』に外部より声援し、又木下杢太郎、長田秀雄両君と都会趣味と異国情趣を基調とした雑誌『屋上庭園』を二冊発刊し、其後単独でも雑誌『朱欒』を一年有半続刊した。
— 東京景物詩改題に就て 『雪と花火余言』 青空文庫
そのうちに一年有半の大評判で、知らない人がぞろ/\慰問に出掛けるやうになつた。
— 森林太郎 『長谷川辰之助』 青空文庫
わたし今ちょっと拝見しただけです」「これは」 といって葉子は今度は「一年有半」を取り上げた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
たゞ一年有半私を孤獨にして、すべての愛する者から遠ざけて置く病氣が、そんな風に私を感じ易くしたのだといへば事足ります。
— ――ある妻の手紙―― 『道』 青空文庫
この一年有半の生活はまッたく言語に絶した窮迫ぶりで、到底他人の窺い知ることの出来ぬ程に徹していたのだが、私はそれを耐え忍ぶことに興味?
— 辻潤 『え゛りと・え゛りたす』 青空文庫
兆民居士が『一年有半』を著した所などは死生の問題についてはあきらめがついて居つたやうに見えるが、あきらめがついた上で夫の天命を楽しんでといふやうな楽しむといふ域には至らなかつたかと思ふ。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
作例 · 標準
明治初期の自由民権運動を理解する上で、中江兆民の『一年有半』は思想的背景を知るための必読書とされている。
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講義では、中江兆民が『一年有半』で展開した現実主義と理想主義の葛藤について深く掘り下げていく。
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読書会で『一年有半』を取り上げ、当時の日本が直面していた政治的・社会的な課題について参加者と意見を交わした。
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「『一年有半』には、中江先生の苦悩が滲み出ているようで、読むたびに考えさせられますね。」
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