帯橋
おびはし
名詞
標準
文例 · 用例
と錦帯橋の月の景色を、長谷川が大道具で見せたように、ずらりと繋って停留していた幾つとない電車は、大通りを廻り舞台。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
夜はバスで岩国へ出かけた、錦帯橋の上で河鹿に聞き入つた、さびしいがよい夜であつた。
— 昭和十三年 『旅日記』 青空文庫
それから周防国宮市に二日いて、室積を経て、岩国の錦帯橋へ出た。
— 森鴎外 『護持院原の敵討』 青空文庫
石橋の一つは断橋で、一つは錦帯橋であるが、この物語に関係のあるのは、その第一橋で、そこには聖祖帝の筆になった有名な断橋残雪の碑がある。
— 田中貢太郎 『断橋奇聞』 青空文庫
随分先から長い間道草を食べましたから」 道を転じて静緒は雲帯橋の在る方へ導けり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
その前に岩国の錦帯橋も余儀なく見物して、夫れから宮島を出て讃岐の金比羅様だ。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
八月二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 麻里布駅にて(錦帯橋美観「錦川に架して」(一)、「建築美」(二)、錦帯橋「清流に映えて」(三)の写真絵はがき)〕 (一)八月二日十一時(午前)今マリフの駅のベンチで涼しい風にふかれ乍ら、のりかえを待っているところ。
— 一九四一年(昭和十六年) 『獄中への手紙』 青空文庫
ことに日本三奇橋の一つと称せらるる猿橋に近くなったということが好奇心をそそって、「いったい、その日本の三奇橋というのはドレとドレだ」「周防の錦帯橋、木曾の桟橋、それにこの甲斐の猿橋」 一行のうちの物識りが答えます。
— 駒井能登守の巻 『大菩薩峠』 青空文庫