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引き出

ひきで
名詞
1
標準
文例 · 用例
「天の一方に」は、「天一方望美人」というような漢詩から、解釈の聯想を引き出して来る人があるけれども、むしろ漠然たる心象の幻覚として、天の一方に何物かの幻像が実在するという風に解するのが、句の構想を大きくする見方であろう。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
父も母も祖母も、耕二の話の時には兄が級長をしてゐた小学時代を引き出した。
中原中也 耕二のこと 青空文庫
「あんなところが登れようかね」と、岩壁の白い薙を指しながら、話の緒を引き出したところが、あすこは嘉門次が、つい去年、山葵取りに入りこんで、始めて登ったところで、未だ誰もその外に、入ったものはないと言うので、私はふと聞き耳を立てた。
小島烏水 谷より峰へ峰より谷へ 青空文庫
君のその論調でやられたのならば、今まで、一時の入用のために、自分の預金を引き出すために、どのくらい多くの労働者を、君は馘首したことになるだろう。
葉山嘉樹 海に生くる人々 青空文庫
今はただ大きな腕が、自分をその牢獄から引き出してくれるのを待つばかりだった。
葉山嘉樹 海に生くる人々 青空文庫
彼の苦言もただヨブより哀哭の反覆を引き出したのみに終った。
内村鑑三 ヨブ記講演 青空文庫
汝|昴宿の鏈索を結ぶや、参宿の繋縄を解くや、汝十二宮をその時に従いて引き出だすや、また北斗とその子星を導くや。
内村鑑三 ヨブ記講演 青空文庫
本当に、私はその時はじめて、この火事騒ぎは、私が夕方、お風呂のかまどの燃え残りの薪を、かまどから引き出して消したつもりで、薪の山の傍に置いた事から起ったのだ、という事に気づいたのだ。
太宰治 斜陽 青空文庫