異口
いく
名詞
標準
文例 · 用例
先生の訃音が一度伝われば、東都の新紙は異口同音に哀悼の意を表し、一斉に先生が俳壇における偉業を讃した。
— 伊藤左千夫 『正岡子規君』 青空文庫
分量を少なく、出来るだけ簡易平明にして、しかも主要な急所を洩れなく、また実に適切な例を使って説明するという行き方であり、また如何なる教科書とも類を異にしたオリジナルなものであったという事は同君の講義を聞いた高弟達の異口同音の証言によって明らかである。
— 寺田寅彦 『工学博士末広恭二君』 青空文庫
――必ずこの事、この事必ず、丹波の太郎に沙汰するな、この事、必ず、丹波の太郎に沙汰するな―― と揃って、異口同音に呼ばわりながら、水車を舞込むごとく、次第びきに、ぐるぐるぐる。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
彼等は異口同音に「天才」という言葉を口にした。
— 織田作之助 『道なき道』 青空文庫
二「何でも売っている」 大阪の五つの代表的な闇市場――梅田、天六、鶴橋、難波、上六、の闇市場を歩いている人人の口から洩れる言葉は、異口同音にこの一言である。
— 織田作之助 『大阪の憂鬱』 青空文庫
――「平に一同、」「一同|偏に、」「押して伺い奉る、」村人らも異口同音にやや迫りいう――巫女 知らぬ、とおっしゃる。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
」坂村健、ビル・アトキンソン両大人は異口同音にかく語りき 激動の十月であった。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
明日にも館より使があらばとは三人が異口同音に言うた詞であつた。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫