鉄作り
てつづくり
名詞
標準
文例 · 用例
」 皆の心には、一様に、このぶよぶよの、震える沼の中では、鋼鉄作りの汽車が、余り重すぎはしないのか、という、ぼんやりした危惧の蠢めいているのを感じ、自分は非常に興味深く思った。
— 宮本百合子 『南路』 青空文庫
ウオオオオオ 鉄づくりの門の柱の、やがて平地と同じに埋まった真中を、犬は山を乗るように入ります。
— 泉鏡花 『雪霊続記』 青空文庫
帆船から汽船、木造から鉄づくりの巨船に――と、日ごとに外国型の海運に転じていた近海航路には、砂を吐きだし積みあげて、いよいよ遠浅になったイシカリ河口の船着き場は、役には立たないのだ。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
えっ、鋼鉄づくりの戦車がひとりで焼けている?
— 海野十三 『人造人間エフ氏』 青空文庫
そこで、顔丸の丸彦は、湖水の岸に多くの船をしたて、おおぜいの水夫たちをひきつれ、刀をさし、鉄づくりの鞭をにぎりしめた、いさましい姿で、まっ先の船にのりこみ、追い風をまって出発しました。
— 豊島与志雄 『長彦と丸彦』 青空文庫
四 さて、堅田の顔丸の丸彦は、腰に刀をさし、片手に、鉄づくりの鞭をたずさえ、片手には、たのしい法螺の貝をもって、毎日、出あるきました。
— 豊島与志雄 『長彦と丸彦』 青空文庫
丸彦は一足よけて、鉄づくりの鞭を左手にふりかざし、男のほうをあしらいながら、右手の法螺の貝をなお吹きならしました。
— 豊島与志雄 『長彦と丸彦』 青空文庫
丸彦はかけよるが早いか、男の頭を、鉄づくりの鞭でぴしりと打ちつけ、男がちょっとよろめいて立ちなおるところを、こんどは、そのわき腹を足でけりあげました。
— 豊島与志雄 『長彦と丸彦』 青空文庫