憂わしい
うれわしい
形容詞
標準
wretched
文例 · 用例
微かながら絶間のないピチ、ピチ、と云う音をきき乍ら、私は、寂しい、憂わしい心持に襲われた。
— 宮本百合子 『餌』 青空文庫
ちょいと五右衛門は主殿の方を見たが、「相変わらず今夜も盛んだの」「うん」と云ったものの常陸介の声には、憂わしい不安な響きがあった。
— 国枝史郎 『血ぬられた懐刀』 青空文庫
然し今か今かと待っていてくれる友のことを想像したり、その晴やかな而も憂わしい笑顔を思い浮べたりすると、たとい遅くなってもその日のうちに行きたかった。
— 豊島与志雄 『道連』 青空文庫
「なんで、あなたは、そんなに憂わしい顔つきをしているのじゃ。
— 小川未明 『笑わない娘』 青空文庫
その憂わしい顔色はまだ残っていたが、ゆうべほどではない。
— 鏡中の美女 『世界怪談名作集』 青空文庫
ローマ人の夫婦墓が道に沿って並んでいて、その憂わしい顔と忠実な握手とを、木の葉がくれに示していた。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
レーグル・ド・モーは前々日法律学校でふりかかったくだらない失策のことを考えていたが、別に憂わしいふうもなかった。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
もはや見られぬそれらの場合、おそらく永久に再び見ることのないそれらの場所、しかも心のうちにだきしめているそれらの場所、それは一種のうれわしい魅力を帯び、夢幻の憂愁をもって浮かんでき、目に見得る聖地のごとき趣を呈し、言わばフランスそれ自身の形となるのである。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
作例 · 標準
例句