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今際

いまわ
名詞
1
標準
one's last moments
文例 · 用例
かかるとき、偶偶に煤けたる赤黒き空氣の幕が、日をさかり卷れあがれば、光を仰ぐ大衆の大叫喚の海潮音、廣場に、旅館に、市場に、住居に、とよもし呻る聲|強く、垂死の人も安んじて、今際の時を送り得ず。
上田敏 牧羊神 青空文庫
相場師の臨終の枕元に集うた甥や姪や縁者の人たちは、相場師が息を引き取つた後で貰つて行くべき、物品を、貪狼の如き眼をかゞやかして刻一刻と切迫して來る今際の餘喘の漂ふ室内の隅々までも見渡してゐた。
嘉村礒多 崖の下 青空文庫
誰も知らない青竜王の覆面の下を、今際の際に、この妾が見て置いてあげるよ……」 そう独言をいって、彼女はサッと覆面を引き※った。
海野十三 恐怖の口笛 青空文庫
しかもその間の故郷は、今際限もなく変ってゆこうとしているのである。
柳田国男 故郷七十年 青空文庫
残光とばかりに哀れな男が最後の力を見せ、濡れた道石から頭をもたげ、震えて立ちすくむ私に向かって、私の人生を昼夜となく悩ませることとなった今際のあの一言を放ったのです。
THE ALCHEMIST 錬金術師 青空文庫
今際の約束は神聖なものですから破れば大罪です。
The Nether Millstone 煉獄 青空文庫
いまわと云う時に、死んだ娘の名を呼んだとも云う。
寺田寅彦 やもり物語 青空文庫
肺炎は容易ならぬ病気だと思うと、姪の美しく熱にほてった、いまわの面影がありあり見える。
寺田寅彦 枯菊の影 青空文庫
作例 · 標準
祖父は、今際の際に家族に囲まれて静かに息を引き取った。
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彼の人生の今際に、後悔の念はなかったという。
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意識が朦朧とする中、母は今際の言葉を絞り出した。
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