投げ節
なげぶし
名詞
標準
文例 · 用例
木立を距てた離れ座敷から、もう客が来ているものと見え、優婉な声で投げ節が聞えて来ます。
— 岡本かの子 『茶屋知らず物語』 青空文庫
お上のだんながお許しくださいましたとならば、久しぶりに若返りましょうよ」 ようやくそれと知ったとみえて、投げ節笠に面をかくしながら、ばち音涼しく両人のかたわらへ近づくと、「おむつまじゅうござんすね。
— 明月一夜騒動 『右門捕物帖』 青空文庫
さすれば、三味の本式の演奏は、投げ節その他の、短章の小唄をかけることである。
— 折口信夫 『組踊り以前』 青空文庫
然り而うして此又両者に於て交々見られるところの「畳まれた」茶店には、仇な化粧のをんなたちがゐて、※八つ山下の茶屋をんな 寒さを凌ぐ茶碗酒とかの投げ節の作者の材ともなつたのであらう。
— 正岡容 『山の手歳事記』 青空文庫
「親分、ちょいと来て下さい」 入口の格子を叩いたのは、顔見知りの隣町の指物職人というよりは、小|博奕を渡世にして居る、投げ節の小三郎という男でした。
— 夕立の女 『銭形平次捕物控』 青空文庫
それに続いたのは、借着のままの八五郎と、投げ節の小三郎。
— 夕立の女 『銭形平次捕物控』 青空文庫
其処には、平次と一緒に来た「投げ節の小三郎」が、真っ蒼になって突っ立って居るのです。
— 夕立の女 『銭形平次捕物控』 青空文庫
「ところで、師匠には心当りがあるだろう、お園を怨んで居る者は誰だ」「第一番は投げ節の親分」 お組はそっと四方を見ました。
— 夕立の女 『銭形平次捕物控』 青空文庫