表付き
おもてつき
名詞
標準
frontage
文例 · 用例
しかるに、構えの中へ通ってみると、少しくいぶかしいことには、表付きの貧弱なるにひきかえ、家うちの器具調度なぞのぐあいが、ただのご家人にしてはいたくぜいたくなのです。
— 袈裟切り太夫 『右門捕物帖』 青空文庫
と思いながらはいっていってみると、こぢんまりした住まいの表付きから中のぐあい、不思議なほどになにもかもゆたかに光っているのです。
— やまがら美人影絵 『右門捕物帖』 青空文庫
――音蔵の住まいからはわずかに三町、六十日間も牢につながれておったら、さぞやるす宅も荒れすさんでいるだろうと思っていたのに、岩吉店の中ほどで見つけたお駒のその住まいは、表付き、中のぐあい、うって変わってこざっぱりと、なにもかも整っているのです。
— やまがら美人影絵 『右門捕物帖』 青空文庫
アトはケロリとしてニヤリと破顔一笑、やかんをさげて台所に入り来たり、そこにそろえてあった巡査の表付きの下駄ヒョッとつかんだ形相のものすごさ、さすがの巡査も、ゾッと身の毛が立ったという。
— 井上円了 『おばけの正体』 青空文庫
この旅館のおもてつきが又、いかにもその内部にふさわしく、無闇に間口ばかり広い二階|建で、一階の外壁は漆喰も塗らないで赤黒い煉瓦が剥き出しになっているが、もともと汚ならしい煉瓦が烈しい天候の変化に逢って一層くろずんでいる。
— または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 『死せる魂』 青空文庫
東京風のおもてつきばかり堂々としてゐて、融通の利かない建て方で無く、廣くもない地面に使へる部屋を奧深く上手にとつた上方の建築だから、市中の物音は聞えて來なかつた。
— 水上滝太郎 『大阪の宿』 青空文庫
……といっても、それは、そうした事業家らしい料簡の、そのなつかしいおもてつきの一部の改築して簡易な食堂をこしらえたり、湯滝をはじめたり、花壇を設備したりした。
— 久保田万太郎 『雷門以北』 青空文庫
作例 · 標準
例句