御負け
おまけ
名詞
標準
文例 · 用例
――余計な事じゃないか、何も坊主の癖にそんな知った風な妄言を吐かんでもの事だあね」「しかしそれが商売だからしようがない」「商売なら勘弁してやるから、金だけ貰って当り障りのない事を喋舌るがいいや」「そう怒っても僕の咎じゃないんだから埓はあかんよ」「その上若い女に祟ると御負けを附加したんだ。
— 夏目漱石 『琴のそら音』 青空文庫
畳は色が変つて御負けに砂でざら/\して居る。
— 夏目金之助 『坊っちやん』 青空文庫
おれと山嵐は机を並べて、隣り同志の近しい仲で、御負けに其机が部屋の戸口から真正面にあるんだから運がわるい。
— 夏目金之助 『坊っちやん』 青空文庫
そりや高いよ幾何々々に御負けなどゝ云はれると、「値ぢやねえね」とか、「拜むからそれで買つて御呉れ」とか、「まあ目方を見て御呉れ」とか凡て異樣な田舍びた答をした。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
そりゃ高いよいくらいくらに御負けなどと云われると、「値じゃねえね」とか、「拝むからそれで買っておくれ」とか、「まあ目方を見ておくれ」とかすべて異様な田舎びた答をした。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
「僕より、あの女の方が上わ手でさあ」「あなただって御負けなさる気遣いはありません」「しかし奥さん、僕の法螺は単なる法螺ですよ。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
御負けに御菜に必ず豆腐をなまで食わせるんだから、冷たくて食われやせん」と鈴木君も十年前の不平を記憶の底から喚び起す。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
とにかく柳生十兵衛取立の門人一万二千人――但し講釈師の調査――の中から、只一人の極意皆伝という又右衛門が小者輩に腰だの頭だのを撲られては恩師十兵衛に対して甚だ申訳の無いことであるし、第一三十人も御負けをつけて贔屓にしてくれた講釈師に対しても全く済まぬ訳であるが、どうも事実だから曲げる事もできない。
— 直木三十五 『鍵屋の辻』 青空文庫