裾長
すそなが
形容動詞
標準
文例 · 用例
子供達は伊太利ネルの白い寢衣を裾長に着てよろけ/\這入つて來た。
— 有島武郎 『小さき影』 青空文庫
いけ強情な、意地の悪い、高慢なねえ、その癖しょなしょなして、どうでしょう、可恐い裾長で、……地へ引摺るんでございましょうよ。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
―― 三十八二人寝には楽だけれども、座敷が広いから、蚊帳は式台向きの二隅と、障子と、襖と、両方の鴨居の中途に釣手を掛けて、十畳敷のその三分の一ぐらいを――大庄屋の夜の調度――浅緑を垂れ、紅麻の裾長く曳いて、縁側の方に枕を並べた。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
人の事を云えた義理じゃないけれど、私よりか塗立って、しょろしょろ裾長か何かで、鬢をべったりと出して、黒い目を光らかして、おまけに腕まくりで、まるで、売ますの口上言いだわね。
— 泉鏡花 『第二菎蒻本』 青空文庫
小親この時は楽屋着の裾長く緋縮緬の下着踏みしだきて、胸高に水色の扱帯まといたり。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
ひとの身慥えか自分の身慥えか膚でも抓ってみなければ判らないほど茫々とした気持で、重ね剥ぎに置き継ぎのしてある長襦袢を裾長にどうやら身に纏いつけます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
……」三「其の中に、一人、でつぷりと太つた、肉づきの可い、西洋人のお媼さんの、黒い服を裾長に練るのが居ました。
— 泉鏡太郎 『艶書』 青空文庫
太神楽が、黒木綿の五紋の着流しで鳥打帽を被った男と、久留米絣にセルの袴を裾長に穿流した男と、頬杖を突合って休んだのを見ました。
— 泉鏡花 『河伯令嬢』 青空文庫