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散れ

ちれ
名詞
1
標準
文例 · 用例
襖がすらりとあいたようだから、振返えると、あらず、仁右衛門の居室は閉ったままで、ただほのかに見える散れ松葉のその模様が、懐しい百人一首の表紙に見えた。
泉鏡花 縁結び 青空文庫
散りたくても散れぬなんて、気のきかない樹だよ。
太宰治 彼は昔の彼ならず 青空文庫
」説教者にも聴聞者にも気の散れることのないやうに、小声でかう云つて、手で指図をしようとした。
平出修 夜烏 青空文庫
入江の端より端へと、おのがじし、見るが間に分れ散れり。
国木田独歩 たき火 青空文庫
其処へ、ちらちらと真紅な緋葉も散れば、色をかさねて、松杉の影が映します。
泉鏡花 菊あわせ 青空文庫
ひとりで散れば散るんですけれど。
――(前題――楊弓) ピストルの使い方 青空文庫
花弁のちり/″\にならで散ればにや、手に取りて弄びたき心地もするなり。
幸田露伴 花のいろ/\ 青空文庫
雲の峯の天にいかめしくて、磧礫も火炎を噴くかと見ゆる夏の日、よろづの草なども弱り萎るゝ折柄、此花の紫雲行きまどひ蜀錦碎け散れるが如くに咲き誇りたる、梅桜とはまた異るおもむきあり。
幸田露伴 花のいろ/\ 青空文庫