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真身

しんじん
名詞
1
標準
文例 · 用例
娘は真身に嬉しさを感ずるらしく、ちょっと籐椅子を私の方へいざり寄せ、肘で軽く私の脇の下を衝いた。
岡本かの子 河明り 青空文庫
奥山へ入った安宅先生とは違った意味で、違った形を取っても、結局女の真身なお芝居ではありますまいか。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
真身に十余|創を被り、自ら馬上に刎ぬ。
幸田露伴 運命 青空文庫
これほどまでに倉地は真身になってくれていたのか。
有島武郎 或る女 青空文庫
だから倉地さんに意向を伺おうとすれば、倉地さんは頭から僕をばかにして話を真身に受けてはくださらないんです」「ばかにされるほうが悪いのよ」 倉地は庭のほうから顔を返して、「どこまでばかに出来上がった男だろう」というように苦笑いをしながら古藤を見やって、また知らぬ顔に庭のほうを向いてしまった。
有島武郎 或る女 青空文庫
丹下殿へもよろしく伝えられたい」「ごめん」 と源十郎が歩き出したとき、さっき帰って来たものの、自分の名を耳にしてはいりかねていたお艶が栄三郎の真身に感きわまったものか、花びらのように転びこんで、白い腕が栄三郎の首にすがったかと思うと、ことばもなく顔を男の胸にうずめて…… そのさまに、こりゃたまらぬ!
乾雲坤竜の巻 丹下左膳 青空文庫
彼女は間もなく重患でどっと床就いたが、誰一人|真身に介抱をしてくれる者もなく、あわれ寂しく死んで行った。
モーリス・ルヴェル Maurice Level 情状酌量 青空文庫
それはこの十余年来念仏の功が積って極楽の荘厳仏菩薩の真身を常に見ていたが、誰れにも云わなかった。
中里介山 法然行伝 青空文庫