敏感性
びんかんせい
名詞
標準
文例 · 用例
常識的な敏感性を持つてゐて、凡そ一ヶ月に一度づゝ新しい所説を持つた。
— 中原中也 『校長』 青空文庫
詩人的敏感性の著しい野口氏がいかにしてこの孤獨を感じないことがあるだらう。
— 萩原朔太郎 『中央亭騷動事件(實録)』 青空文庫
私はその少し前からして、彼が例の詩人らしい敏感性で、しだいに濃度を増してくる周圍の壓力を感じて居り、神經質の苦悶に耐へてることを氣付いてゐたが、果せるかな偶然の機會を捉へて爆發した。
— 萩原朔太郎 『中央亭騷動事件(實録)』 青空文庫
」 本気とも病的な冗談ともつかない斯んな夫人の言葉も、ジャネットには気にかゝらない――ジャネットの若い敏感性がベッシェール夫人の人の好さを、すっかり呑み込んだらしかった。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
これは気候変化の諸相のきわめて複雑多様な日本の国土にあって、この変化に対する敏感性を養われて来た日本人にのみ言われる言葉である。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
だから「ユーモア小説」はその国独特のものでなくてはならないし、作者自身にも凡ゆる事物に対する特殊な神経、――敏感性が必要なのである。
— 直木三十五 『大衆文芸作法』 青空文庫
文学の領域において、作家の敏感性や個人主義の傾向は、この点で十二分に利用された。
— 宮本百合子 『ある回想から』 青空文庫
今日の読者は、一人の筆者においてあらわれるこのような或る種の矛盾に対して、文化的明察の敏感性をもたなければならないと思う。
— ――世界と日本の文化史の知識―― 『世代の価値』 青空文庫