激奮
げきふん
名詞
標準
文例 · 用例
勿論あの夜は、伸子さんが花瓶を倒し、それと入れ代りにダンネベルグ夫人が入って来て、しかも激奮に燃えた夫人は、寝室の帷幕の間から、右肩のみを現わしていました。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
それは、懸命に唇を噛んで、なにかの激奮を耐えているかに見えた。
— 小栗虫太郎 『人魚謎お岩殺し』 青空文庫
この両性の相闘ふ時に精神活きて長梯を登るの勇気あり、闘ふこと愈多くして愈激奮し、その最後に全く疲廃して万事を遺る、この時こそ、悪より善に転じ、善より悪に転ずるなれ、この疲廃して昏睡するが如き間に。
— 北村透谷 『心機妙変を論ず』 青空文庫
彼は極致と共に死したり、而して他の極致を以て更生するまでの間は所謂無心無知の境なり、激奮猛奔して、而して中奥に眠熟するが如き境なり、この境を過ぐるは心機一転に欠くべからず、而してこの境は石火なり、流星なり、数秒時間なり。
— 北村透谷 『心機妙変を論ず』 青空文庫