異土
いど
名詞
標準
文例 · 用例
故郷は遠きにありて思ふものそして悲しく歌ふものよしやうらぶれて異土の乞食となるとてもかへる所にあるまじや。
— 萩原朔太郎 『田端に居た頃』 青空文庫
うらぶれて異土のかたいとなろうとも古里は遠きにありて思うもの…… かつてこんな詩を何かで読んで感心した事があった。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
たとい異土の乞食となろうともふるさとは再び帰り来る処に非ずの感を深くするなり。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
うらぶれて異土のかたゐとならふとも故里は遠きにありて思ふもの…… かつてこんな詩を読んで感心した事があった。
— 林芙美子 『放浪記(初出)』 青空文庫
鹿兒島は母の郷里ではあつたが、室生さんの詩ではないけれども、よしや異土の乞食とならうとも、古里は遠くにありて、想ふものである。
— 林芙美子 『屋久島紀行』 青空文庫
顔を洗う水が足の甲に落ちても、すぐ風邪をひく含羞草のような山川が、荒くれた異土の風雪に十日もつづけてあてられたら、敵の弾丸を待つまでもなく、肺炎かなにかで、がっくりいってしまうのだろう。
— 久生十蘭 『蝶の絵』 青空文庫
生涯、女の暖い愛情も知らず、青春を荒廃させ尽したまま、異土に死んで行かねばならぬ自身に対し、此のような侮辱がもっともふさわしいはなむけではないのか。
— 梅崎春生 『桜島』 青空文庫