特別賞与
とくべつしょうよ
名詞
標準
文例 · 用例
あなたたちが、一か月の俸給だけで四百円――彼はこれを聞くのに苦心したのだ――取って、戦時利益特別賞与が年四十五か月分ある。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
船頭は言を左右に濁したが、(彼ら親方は旦那から特別賞与がもらえるのだ)その時の船頭の狼狽ぶりと、当惑しきった顔つきから、人々はうわさがほんとうであると断定したのである。
— 島木健作 『鰊漁場』 青空文庫
特別記事をとると、その内容の価値に応じて、僕の社では五円以上の特別賞与がおりることになっていたので、実をいうと、浅間しい話だがこの五円の賞与に僕は食指を動かしたというわけなのである。
— 平林初之輔 『或る探訪記者の話』 青空文庫
問題の赤ん坊の写真と、犠牲者の告白と、これだけそろえば、二十円の特別賞与は請けあいだと僕は考えていろいろ計画をめぐらしたものである。
— 平林初之輔 『或る探訪記者の話』 青空文庫
この事件で一番皮肉なのは、僕がその翌日二十円の特別賞与を、恭々しく社長から編集局長の手を通して渡されたことである。
— 平林初之輔 『或る探訪記者の話』 青空文庫
妾はその後もたびたび母に特別賞与の意味でお菓子を貰った上、その座敷牢へ連れてゆかれたように思うが、いつもそのカンカンに紅い三つのリボンを結んでゆくのがお決りだった。
— 海野十三 『三人の双生児』 青空文庫
「まあ、愚痴を言うな、特別賞与ものだよ、今度と言う今度は、洋服屋へ三年越の月賦が払えるだろう」「特賞を月賦に廻す奴があるものか、月賦は三年遅れても月賦さ」「呆れた野郎だ、ところで、材料は?
— 野村胡堂 『音波の殺人』 青空文庫