幻辞.com

一重桜

ひとえざくら
名詞
1
標準
cherry tree bearing single blossoms
文例 · 用例
ほんのりと一重桜、カランと吾妻下駄を、赤電車の過ぎた線路に遠慮なく響かすと、はっと留楠木の薫して、朧を透した霞の姿、夜目にも褄を咲せたのは、稲葉家のお孝であった。
泉鏡花 日本橋 青空文庫
一重桜三十九「忘れもしない、ずっと以前――今夜で言えば昨夜だね――雛の節句に大雪の降った事がある。
泉鏡花 日本橋 青空文庫
中にね、――潰島田に水色の手柄を掛けた――年数が経って、簪も抜けたり、その鬢の毛も凄いような、白い顔に解れたが――一重桜の枝を持って、袖で抱くようにした京人形、私たち妹も、物心覚えてから、姉に肖ている、姉さんだ姉さんだと云い云いしたのが、寂しくその蜜柑箱に立っていた。
泉鏡花 日本橋 青空文庫
春はその水晶山へ、はら/\と一重桜が散りかかるのを想像する。
岡本かの子 青空文庫
春は水嵩も豊で、両岸に咲く一重桜の花の反映の薄べに色に淵は染んでも、瀬々の白波はます/\冴えて、こまかい荒波を立てゝゐる。
岡本かの子 青空文庫
寄せたその片褄が、ずるりと前下りに、前刻のままで、小袖幕の綻びから一重桜が――芝居の花道の路之助のは、ただこれよりも緋が燃えた――誘う風にこぼるる風情。
泉鏡花 白花の朝顔 青空文庫
早咲の上野の一重桜がほころびて巷は花の噂でぽつりぽつり浮きたつて来た頃、春どんは腹膜炎といふ病気になつた。
牧野信一 やぶ入の前夜 青空文庫
庭先の一重桜のこずえには南に向いたほうに白い花べんがどこからか飛んで来てくっついたようにちらほら見え出していた、その先には赤く霜枯れた杉森がゆるやかに暮れ初めて、光を含んだ青空が静かに流れるように漂っていた。
有島武郎 或る女 青空文庫
作例 · 標準
夏用の単物(ひとえもの)の着物は、涼しげな素材で作られている。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
季節に合わせて、単物(ひとえもの)や袷(あわせ)の着物を使い分ける。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
この単物(ひとえもの)の帯は、浴衣にも普段着の着物にも合わせやすい。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite