顔貌
かおかたち
名詞
標準
文例 · 用例
我等の同胞の顔貌の中にはまたあらゆる人種の定型がそれぞれに標本的に洩れなく代表されているようである。
— 寺田寅彦 『短歌の詩形』 青空文庫
顔貌にもなんだかいやな線があらわれて来て、誰の目にも彼の陥っている地獄が感づかれそうな不安が絶えずつきまとった。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
」裁判長はこの白癡らしい顔貌の持主に重ねて問うた。
— 平出修 『公判』 青空文庫
顔貌が何となく惘乎して、どこにか気の抜けた様な処が見えるのはその為であるらしい。
— 平出修 『逆徒』 青空文庫
さして眼を注める様子もないが、その代りお勢と同年配頃の娘に逢えば、叮嚀にその顔貌風姿を研窮する。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
――そこで私は以上のことの上に、声と様子とが同じであると云うことと、そして剃刀と仮髪とさえあれば人間の顔貌は変えられると云うことを考え合せると、私はその二人が同じ人間であると疑わざるを得なかったのです。
— コナンドイル Arthur Conan Doyle 『株式仲買店々員』 青空文庫
風呂桶が新たに湯殿へ持ち込まれたり、顔貌の綺麗な若い女中が傭い入れられたりした。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
長身の、まだ若いが、職掌柄だけに凛として気の利いた顔貌と風采の持主だ。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫