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魔鳥

まちょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
詐欺師や香具師の品玉やテクニックには『永代蔵』に狼の黒焼や閻魔鳥や便覧坊があり、対馬行の煙草の話では不正な輸出商の奸策を喝破しているなど現代と比べてもなかなか面白い。
寺田寅彦 西鶴と科学 青空文庫
一時魔鳥の翼と翔りし黒雲は全く凝結して、一髪を動かすべき風だにあらず、気圧は低落して、呼吸の自由を礙げ、あわれ肩をも抑うるばかりに覚えたりき。
泉鏡花 取舵 青空文庫
大燒原の野と成つた、下町とおなじ事、殆ど麹町の九分どほりを燒いた火の、やゝしめり際を、我が家を逃出たまゝの土手の向越しに見たが、黒煙は、殘月の下に、半天を蔽うた忌はしき魔鳥の翼に似て、燒殘る炎の頭は、その血のしたゝる七つの首のやうであつた。
泉鏡太郎 間引菜 青空文庫
室の中ではあの岡本と広栄がさしむかっていたが、魔鳥のように駈けこんで来た広巳に驚かされてきょときょとした。
田中貢太郎 春心 青空文庫
爆撃下の帝都 魔鳥のような敵機の姿はついに品川沖に現れた。
海野十三 空襲警報 青空文庫
ここぞと、十郎太がふりかぶった太刀に、あわれむごい血煙が、立つかと見えたせつな、魔鳥のごとく飛びかかってきた龍太郎が、やッと、横ざまに戒刀をもって、薙ぎつけた。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
――と、昼なおくらい木立のあいだから、いような、魔鳥の羽ばたきがつめたい雫をゆりおとして聞えた。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
」とばかり、捕手の軍卒がおどろきさわぐうちに、一ど、雲井へたかく舞いあがった魔鳥は、ふたたびすさまじい天※をまいて翔けおりるや、するどい爪をさかだてて、旋廻する。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫