灸師
きゅうし
名詞
標準
文例 · 用例
高崎中学を終えてから、各地の医専の入学試験を受けている最中、リョウマチにかゝり、少青年期の大事な部分を実家で療養に暮すうち中学生上りともつかず田舎紳士ともつかない鵺の青年になったらしい弟は、せめて生活の業にもと近頃では鍼灸師の資格試験の準備中なのでありました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
「今更、鍼灸師なんかになり度くはありませんが――」 弟はわたくしの術に釣られて、まず自分自身の遺憾を先に洩し、家族の一人をこういう風な目に会しもする先生並にこの家自体の矛盾に就て恨みや歎きの口振りも混ぜて、実家のことを次のように語り出しました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
そしてその子供が私たちを送り出した弟に向って「おとっちゃん」と呼びかけましたところを見ると、この弟は既に妻子を持ちながら姉に鍼灸師受験準備を貢いで貰っていたのでしょうか。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
今日も灸師を招ぎ治療をなせしにそのため却て頭痛を催し、机に向ふこと能はず。
— 断膓亭日記巻之二大正七戊午年 『断腸亭日乗』 青空文庫