幻辞.com

親縁

しんえん
名詞
1
標準
文例 · 用例
加賀野新小路の親縁の家では、市役所の衞生係なる伯父が出勤の後で、痩せこけた伯母の出して呉れた麥煎餅は、昨日の雨の香を留めたのであらう、少なからず濕々して居た。
石川啄木 葬列 青空文庫
加賀野新小路の親縁の家では、市役所の衛生係なる伯父が出勤の後で、痩せこけた伯母の出して呉れた麦煎餅は、昨日の雨の香を留めたのであらう、少なからず湿々して居た。
石川啄木 葬列 青空文庫
故に陸上にあらゆる物は必ず海中にもその偶ありてふ古人の了簡(テンネント『錫蘭博物志』七三頁)から推せば、これら諸魚の父たる海中の竜が、能く馬を孕ますほど親縁のものたるは、その稚子また眷族なる件の諸魚が半竜半馬の相を具うるので照々たりといわん。
馬に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫
むかしはヨブ凡ての所有を失ひ、凡ての親縁|眷属を失ひ、凡ての権威地位を失ひ、加ふるに身は悪瘡の苦痛に堪えがたく、身命旦夕に迫れり。
北村透谷 各人心宮内の秘宮 青空文庫
われは函嶺の東、山水の威霊少なからぬところに産れたれば、我が故郷はと問はゞそこと答ふるに躊躇はねども、往時の産業は破れ、知己親縁の風流雲散せざるはなく、快く疇昔を語るべき古老の存するなし。
北村透谷 三日幻境 青空文庫
第二部 日本語としての沖縄語私のこの論述は、単に日本と沖縄との言語の親縁関係ばかりを説く為の計画から発足したものではなかつた。
折口信夫 日琉語族論 青空文庫
香典は身分と親縁関係によって大体の金額が決まるものなのだからその額の実用価値如何に関係なく、いくらの香典でも、単にその精神上の意味ばかりではなくその物質上の意味が成立することが出来る。
戸坂潤 社会時評 青空文庫
源泉徴証甚だ不完全にして、精密に推定し難しと雖も、その大霧を作りしと云い、風を徴し、雨を召し、煙を吐き、霧を噴きしと云い、大風雨を縦にせしと云う点より、観察するときは、風雨に甚だ親縁あるものたることは、云うまでも無く、風伯雨師は、風神雨神なり。
高木敏雄 比較神話学 青空文庫