鮮らか
あざらか
形容動詞
標準
文例 · 用例
そして、行く手の筑波山は、紫ばんだ陰影をもって、鮮らかに、近々と見えるのだが、これがなかなか歩いては遠いのである。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
朝の陽が、まばゆげな彼女の顔を、鮮らかに、浮かせていた。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
真っ赤な夕空が、黒杉の梢のすきまを鮮らかにしている。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
身のみじめさを、鮮らかに、見廻すにつけ、最愛の妻子の、あわれな船住居を思うにつけ、彼は、心に、遺恨の弓を、ひきしぼって、満を持すような眉を示した。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
――伊豆半島とこの地方とは、海を隔てているとはいえ、晴れた日には、鮮らかに見えもする対岸にある。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
槍は彼方の背に立ち、異様な絶叫をツンざいて、夜目にも鮮らかな血の色がぱッと四方を大きく染めた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
まだ暗いことは確かで、外には星が鮮らかだ。
— 第四分冊 『新書太閤記』 青空文庫
懐紙は、点々、紅梅をちらしたように染まっていたが、なお鮮らかに乾かぬ墨の痕が読まれた。
— 第四分冊 『新書太閤記』 青空文庫