片外し
かたはずし
名詞
標準
文例 · 用例
併し、さう言ふ「女武道」に属する「片外しもの」ばかりが、彼の「時代女」のはまり役ではなかつた。
— ――新歌右衛門に寄する希望―― 『自然女人とかぶき女』 青空文庫
女は受けあごの細おもてに薄化粧をして、眼の涼しい、鼻のたかい、見るからに男まさりとでもいいそうな女振りで、髪は御殿風の片はずしに結っていた。
— 奥女中 『半七捕物帳』 青空文庫
髻結いたる下髪の丈に余れるに、色|紅にして、たとえば翡翠の羽にてはけるが如き一条の征矢を、さし込みにて前簪にかざしたるが、瓔珞を取って掛けし襷を、片はずしにはずしながら、衝と廻廊の縁に出づ。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
が、唯今もお尋ねの肝腎のその怪い婦人が、姿容、これがそれ御殿女中と申す一件――振袖か詰袖か、裙模様でも着てござったか、年紀ごろは、顔立は、髪は、島田とやらか、それとも片はずしというようなことかと、委しく聞いてみたでございますが、当人その辺はまるで見境がございません。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
濃いおしろい、前髪のしまった、髱の長く出た片はずし……玉虫いろのおちょぼ口で、めいめい手に手に、満々と水のはいった硝子の鉢を捧げている。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫
「わたしも、明日からこの奥方様の通りに、片はずしに結って、この打掛を着てもよいと殿様がおっしゃった。
— 如法闇夜の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
ああ、わたしが片はずしの髷に結って打掛を着て、侍女を使うようになったのを、伊勢の国にいた朋輩たちが見たらなんというだろう。
— 如法闇夜の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
たった今、片はずしに結ってみたくてたまらなくなったからです。
— 如法闇夜の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
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片外し(かたはづし)は江戸時代の御殿女中や官女たちに結われた髷(まげ)。
出典: 片外し — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0