有鈎
ゆうこう
名詞
標準
文例 · 用例
ポアンカレのような人でさえ、啓示というようなことは結局頭の作用の有鈎原子が互にひっかかったというに過ぎないので、その有鈎原子を活躍させるには相当意識的あるいは無意識的にその問題に頭を突込んでいる必要があるという意味のことをそのフックス函数の研究の経験として述べているようである。
— 中谷宇吉郎 『米粒の中の仏様』 青空文庫
もっともこれは岩波文庫の「科学と方法」から手軽に教えられたことであるが、ポアンカレにとってさえ啓示というものがそのような意味のものとすれば、普通の人だったら、まず何よりも有鈎原子に出来るだけ活動の自由を与えるように心掛けることが肝心であろう。
— 中谷宇吉郎 『米粒の中の仏様』 青空文庫
前にいったような頭の「休養」の時間も、無意識の中に有鈎原子に活躍をさせている時間とすると、その時間もまた勉強している時間の中に算えることが出来るであろう。
— 中谷宇吉郎 『米粒の中の仏様』 青空文庫
このように考えると、頭の良し悪しという問題は、ごく特別の例外的な人の場合を除いては、精神活動の有鈎原子がひっかかった時に直ぐそれを自覚してその後の仕事を早く纏めるか、あるいはその原子の連鎖が完全に出来てひとりでに事柄が分ってきて初めて気が付くかという位の差に帰するものらしい。
— 中谷宇吉郎 『米粒の中の仏様』 青空文庫