幻辞.com

逃げ迷う

にげまよう
動詞
1
標準
文例 · 用例
その時に辛うじて意識を回復した甘粕氏は苦痛を忍びつつ起き上り、場の入口を開いて逃げ迷うていた狂人たちを外へ出すと、又も安心のためか気が遠くなって打ち倒れた。
夢野久作 ドグラ・マグラ 青空文庫
それが男よりもズット敏捷で、向不見と来ているのですから、Aはイヨイヨ仰天して、悲鳴を揚げながら逃げ迷う
夢野久作 キチガイ地獄 青空文庫
馬は益々驚いて、濃紅姫の死骸を載せた馬車を引いたまま大勢の兵隊の真中に駈け込んで、逃げ迷うものを蹴散らし轢き倒して、あれよあれよという中に往来を向うの方に疾風のように駈け出しました。
夢野久作 白髪小僧 青空文庫
今度の地震で、あらゆる家が焼けたり、たおれたりして、多勢の人が逃げ迷うのを見た東京人は、家とか財産とかいうものがまるで当てにならないものであると感じた。
夢野久作 街頭から見た新東京の裏面 青空文庫
地震に逃げ迷うている人びとがその傍を狂気のようにして往来した。
田中貢太郎 変災序記 青空文庫
雪崩のごとく逃げ迷うもの、飛び散るもの、刺し違えて斃れるもの、それらの乱れ叫ぶひまひまにも、そのとき、この松風の音だけはここで続いていたことだろう。
横光利一 旅愁 青空文庫
逃げ迷う頭と頭が、針の中で衝突した。
横光利一 上海 青空文庫
ここもやはり浮世だったのだ」 逃げ迷う人波に揉まれ揉まれいつとも知らず庄三郎は「聖壇」の下まで来てしまったが、心の中でこう呟いた。
国枝史郎 神州纐纈城 青空文庫
逃げ迷う(にげまよう) — 幻辞.com