蘭竹
らんちく
名詞
標準
文例 · 用例
」「……何ですか蘭竹なんぞ。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫
・蘭竹もかれ/″\に住んでゐる 咲き残つたバラの赤さである・つきあたつて墓場をぬけ一月七日 時雨、休養、潜龍窟に蛇が泊つたのだ。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
・やつぱりうまい水があつたよ(再録)・蘭竹の葉の秋めいてそよぎはじめた・別れてからもう九日の月が出てゐる・去る音の夜がふかい夕の散歩をする、狭い街はどこも青年の群だ、老人の侵入を許さなかつた。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
さくらちる富士がまつしろさくら咲いてまた逢うてゐる旅ごゝろかなしい風がふきまくるぼう/\としてあるくいつしか春 (追加) 蘭竹かれ/″\の風にふかれつゝ・鎌倉は松の木のよい月がのぼつた大仏さん異人さんさくら寺いちはやく山ふところのさくら一もと 斎藤さんにまた逢ひませうと手を握る東京をうたふ。
— 種田山頭火 『旅日記』 青空文庫
又雲坪を論じ合った後、蘭竹を一幅貰ったこともある。
— 芥川龍之介 『滝田哲太郎氏』 青空文庫
学校の教師朋友などが送別の意を表して墨画の蘭竹または詩など寄合書にしたる白金布の蝙蝠傘あるいは杖にしあるいは日を除け、道々も道中の気遣いを故郷の恋しさと未来の大望とか悲しみ悦び憂いをかわるがわる胸中に往来したれば、山川の景色も目にはとまらずしてその日の暮がたある宿に着きたり。
— 饗庭篁村 『良夜』 青空文庫
もっとも今更|蘭竹から始めて、十年猛勉強をして、やっと田舎廻りの安画家の高弟程度の絵が描けるようになったのでも余り面白くない。
— 中谷宇吉郎 『南画を描く話』 青空文庫