繭糸
けんし
名詞
標準
文例 · 用例
詩十四章、其二に曰く、念ふ 子が 初めて来りし時、才思 繭糸の若し。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
瑠璃の空に弧を描いた久摩の峯や、群青の岩絵具を盛り上げた筒井峠、由良の流れは繭糸をくずしたように山裾をめぐっていた――その広やかな視野からあつまって来る風が、この辻堂の縁へ来てさっと遅咲きの牡丹桜を二人の上へ振り舞わせる。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫
但し山繭糸は容易に染めを受けつけませんが、自然の黄味が既に美しい色を呈します。
— 柳宗悦 『手仕事の日本』 青空文庫
お綱の体は、かれの足のほうへ仆れて、霧の中へ繭糸のように捻れて寝た。
— 剣山の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫