叶わぬ
かなわぬ
形容詞-語幹
標準
impossible (dream, wish, etc.)
文例 · 用例
机に倚る事さえ叶わぬのであろうか。
— 寺田寅彦 『根岸庵を訪う記』 青空文庫
ボーイの昼食をすゝむる声耳に入りたれどもとより起き上がる事さえ出来ざる吾の渋茶一杯すゝる気もなく黙って読み続くるも実はこのようなる静穏の海上に一杯の食さえ叶わぬと思われん事の口惜しければなり。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
」 半次が、T「叶わぬ恋の 意趣晴らし」 五郎蔵「馬鹿!
— 山中貞雄 『中村仲蔵』 青空文庫
余にはこの翁ただ何者をか秘めいて誰一人開くこと叶わぬ箱のごとき思いす。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
歩ける嬉しさ、坐れる嬉しさ、自然に接しられる嬉しさは、そのいずれも叶わぬ不自由な境涯に落ちて一そうはっきりと私に分るようになった。
— 黒島傳治 『海賊と遍路』 青空文庫
そこでもう所詮叶わぬと思ったなり、これはこの山の霊であろうと考えて、杖を棄てて膝を曲げ、じりじりする地に両手をついて、(誠に済みませぬがお通しなすって下さりまし、なるたけお午睡の邪魔になりませぬようにそっと通行いたしまする。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
無人では叶わぬところだから、六郎の父の讃岐守は、六郎に三好筑前守之長と高畠与三の二人を付随わせた。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
お沢 はい、(間)はい、あの、一七日の満願まで……この願を掛けますものは、唯|一目、……一度でも、人の目に掛りますと、もうそれぎりに、願が叶わぬと申します。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
作例 · 標準
それは、かつて若き日の彼が抱いた、決して叶わぬ淡い恋心として胸に刻まれている。
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叶わぬ願いだと知りつつも、彼女は毎晩のように夜空を見上げて奇跡を祈っていた。
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戦火の中で散り散りになった家族全員が再び集うという、叶わぬ望みを捨てきれない。
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