借主
かりぬし
名詞
標準
文例 · 用例
決めて帰りがけに葉子達は神楽堂の方の借主をどんな人達かと聞いて見た。
— 岡本かの子 『鶴は病みき』 青空文庫
かう云ふ成行から引出し得べき資金の利用方法を白川は松村に相談し、松村は之を間接には自分の信托会社も関係のある埋立工事の事業資金に廻さうと計画し、経営者と金主との間に立つて、自分は一面借主となり一面貸主となつて、三面的紛糾を解決しようと試みた。
— 平出修 『瘢痕』 青空文庫
こんどの借主どもに対する方策としてもだ、さうせかれちや実際困らあね。
— 平出修 『瘢痕』 青空文庫
左から四本目の桟の中ほどを、杉箸が一本横に貫ぬいて、長い方の端が、思うほど下に曲がっているのは、立ち退いた以前の借主が通す縄に胸を冷やす氷嚢でもぶら下げたものだろう。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
ところが、約束の期日が来ても、借主は一向金を返しに来ないので、それが気になつてならない杜鵑は、ああして毎日のやうに、「本堂建てたか。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
夙て話は聞いてゐるが、あの三百円に対しては、借主の遠林が従来三回に二百七十円の利を払つて在る。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
さうして借主は何者ですか」「大館朔郎と云ふ岐阜の民主党員で、選挙に失敗したものですから、その運動費の後肚だとか云ふ話でございました」「うむ、如何にも!
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
しかしその持主または借主はだね、――いったいどうして、広告もしてないのに、火曜日の朝なんて早いころに、月曜日に拾い上げられたボートの所在を知るようになったのだろうか?
— 『モルグ街の殺人事件』続編 『マリー・ロジェエの怪事件』 青空文庫