油照り
あぶらでり
名詞名詞-の形容詞
標準
sultry weather
文例 · 用例
私はかの二重底から数多の仲間と甲板に這い出して、油照りに横から照りつける午後の日を船橋の影によけながら、古ペンキや赤※でにちゃにちゃと油ぎって汚れた金槌を拭いにかかった。
— 有島武郎 『かんかん虫』 青空文庫
じじと日は油照りして、沈殿むのみ。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
油照りする日のしづく食滯るる底に、肉の蒸れ※えゆく匂ひ、――ひだるさに何とは知らず脂くさき吹※のまぎれ、辻賣はつぶやくけはひ。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
梅雨頃のおぼつかなげな、白い胡蝶、潮風に乗って彷徨う揚羽蝶、てんとう虫、兜虫、やがて油照りがつづくと、やんまの翅をこする音がきこえ、蜥蜴の砂を崩す姿がちらついた。
— 原民喜 『吾亦紅』 青空文庫
四 真夏の強烈な太陽がヂリヂリと油照りに照りつけ蝉の声が暑苦しかった。
— 金田千鶴 『夏蚕時』 青空文庫
油照りのかあっとした天気だ。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
博多から油照りの船路に、乗り倦ねた人々は、まだ郷野浦行きの自動車の間には合ふだらうかなどゝ案じながらも、やつぱりおりて行つた。
— 熊本利平氏に寄す 『雪の島』 青空文庫
たゞ京都の初夏の頃にしば/\ある、陰気な雨雲が蔽ひかぶさつてゐる間から日が油照りに照りつけて、じつとしてゐても顔や体がぬら/\粘つて来るやうな、そよとの風もない、蒸し暑い、重苦しい日であつたに違ひない。
— 谷崎潤一郎 『青春物語』 青空文庫
作例 · 標準
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