売り歩く
うりあるく
動詞-五段-カ行動詞-他動詞
標準
to peddle (goods)
文例 · 用例
七味唐辛子を売り歩く男で、頭には高くとがった円錐形の帽子をかぶり、身にはまっかな唐人服をまとい、そうしてほとんど等身大の唐辛子の形をした張り抜きをひもで肩につるして小わきにかかえ、そうして「トーン、トーオン、トンガシノコ」と四拍子の簡単な旋律を少しぼやけた中空なバリトンで歌い歩くのがいた。
— 寺田寅彦 『物売りの声』 青空文庫
同じ女の絵はがきでも初めは生徒の手から没収したのを後には自分でお客に売り歩くことになっている。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
天満京阪裏の古着屋で一円二十銭出して大阪××新聞の法被を仕込み、売るものはサンデー毎日や週刊朝日の月おくれ、または大阪パックの表紙の発行日を紙ペーパーでこすり消したもの、三冊十五銭で如何にも安いと郊外の住宅を戸別訪問して泣きたんで売り歩く。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
私の生れ故郷は、瀬戸内海の波の音のきこえる小村で、春になると、桜鯛がよく網に上った、それを売り歩く魚商人の声が、陽気に村々に聞えて来ると、村人は初めて海の春が、自分たちの貧しい食膳にも上るようになったのを喜んだものだ。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
その前を、脊中いっぱいに胡弓を脊負って売り歩く男や、朝帰りの水兵や、車に揺られて行く妊婦や、よちよち赤子のように歩く纏足の婦人などが往ったり来たりした。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
それは道側に屋台を下していた売り歩く蕎麦屋の提灯に過ぎない事が解った。
— MUJINA 『貉』 青空文庫
セールスマンとしてベーシックとCP/Mを売り歩くことには愛想をつかした松本だったが、パーソナルコンピューターの開発を進めるとなれば当然、この二つの基本ソフトとの縁は切れなかった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
それに襟が狭くて低かったため、彼の首はそれほど長いほうではなかったけれど、襟からにゅうと抜け出して、例の外国人をきどったロシア人が幾十となく頭にのせて売り歩く、あの石膏細工の首ふり猫のように、おそろしく長く見えた。
— ニコライ・ゴーゴリ 『外套』 青空文庫
作例 · 標準
例句