意企
いき
名詞
標準
文例 · 用例
特に日本では、生物的面からの現実曝露が、儒教的な因習への社会的なたたかいとして意企され、一種の人間解放の動きであった。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
作者の意企は、関に会う前の真知子、関とのいきさつの中にある真知子、そのいきさつの破れた後の真知子と、少くとも三つの段階を経て一人の婦人の内部成長の足どりを辿るところにあったに違いない。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
自分たち夫婦がそういう積極の意企をもつ男女であるという自覚や、家庭というものをも、それにふさわしいものであらせようとする努力で、明子は「広介と共に、通例の家庭形式とは多少ちがった形式をうち立てていたということを非常に大きな達成のように」錯覚していたと作者は書いている。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
農村から、工場から、勤口から、学校から兵隊にされていっている人たちが、人間らしく悲しみ、人間らしく無邪気に歓び、死にさらされているありさまを目撃して、それを人々に伝えたい、という意企で書かれたものかもしれません。
— ――新日本文学会における一般報告―― 『一九四六年の文壇』 青空文庫
それから最後に、今日一種の魅力になっている傾向に、懐疑的な、自分にたいするサディスティックな自虐的な追求をとおして、人間性の再確認と正義の建設への意企を表現しようとする試みがされています。
— ――新日本文学会における一般報告―― 『一九四六年の文壇』 青空文庫
その意識性は、現在大部分がそこに陥っているように商品としての独自性を形成してゆく意企として存在するばかりではないはずである。
— ――創作方法のこと・そのほか―― 『現代文学の広場』 青空文庫
わたしは、はじめっから、プラスの意企とともに、ひとめにはマイナスのあらわであろう自分の方法を、おそれずに出発した。
— 宮本百合子 『「道標」を書き終えて』 青空文庫
つつましい、引しまった、鋭い精神の上に、徐々日の出のように方向が見え、自分の意企が輝いて来たら、嬉しさではしゃいではいけない。
— 宮本百合子 『愛は神秘な修道場』 青空文庫