逕
逕
名詞
標準
文例 · 用例
その証拠には浪花節が上手でも、逆立ちが下手でも、とにかく兵隊としての要領の拙さでは逕庭がなかった。
— 織田作之助 『昨日・今日・明日』 青空文庫
山逕の磽※、以前こそあれ、人通りのない坂は寸裂、裂目に草生い、割目に薄の丈伸びたれば、蛇の衣を避けて行く足許は狭まって、その二人の傍を通る……肩は、一人と擦れ擦れになったのである。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
よろず屋の店と、生垣との間、逕をあまして、あとすべて未だ耕さざる水田一面、水草を敷く。
— 泉鏡花 『山吹』 青空文庫
逕をめぐり垣に添いて、次第に奥深き処、孟宗の竹藪と、槻の大樹あり。
— 泉鏡花 『山吹』 青空文庫
」この人のいふのだからあてには成らないが、いま座敷うけの新講談で評判の鳥逕子のお父さんは、千石取の旗下で、攝津守、有鎭とかいて有鎭とよむ。
— 泉鏡太郎 『春着』 青空文庫
村山攝津守有鎭――邸は矢來の郵便局の近所にあつて、鳥逕とは私たち懇意だつた。
— 泉鏡太郎 『春着』 青空文庫
渾名を鳶の鳥逕と言つたが、厚眉隆鼻ハイカラのクリスチヤンで、そのころ拂方町の教會を背負つて立つた色男で……お父さんの立派な藏書があつて、私たちはよく借りた。
— 泉鏡太郎 『春着』 青空文庫
仁を求め国を護るの義と、逕庭あるも亦甚し。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫