兜率
とそつ
名詞
標準
Tusita (heaven, pure land)
文例 · 用例
それで西方|兜率天か何処か知らぬが遠いところへ移転したきりというのが定まりであるが、寂心の事を記したのは、それで終っていない。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
例えばその第四の兜率天という慾天の如きは、手を執り合うだけでその充足を得る。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
かく不埒千万な野干も七日不食十善を念じ兜率天に生まれたと『未曾有経』に出づ。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
牙の六つある大白象の背に騎して、兜率天よりして雲を下って、白衣の夫人の寝姿の夢まくらに立たせたまう一枚のと、一面やや大なる額に、かの藍毘尼園中、池に青色の蓮華の開く処。
— 泉鏡花 『夫人利生記』 青空文庫
三度の飯を四度食べても、毎日一度は探偵小説を読まねば気が済まぬという自分に、「二銭銅貨」のような優れた作を見せて下さった森下さんは、その功徳だけでも、兜率天に生れたまうこと疑なし。
— 小酒井不木 『「二銭銅貨」を読む』 青空文庫
今に兜率天から劫火が下って薬師如来の断罪があるだろう――とそう云う疑念を、鋭敏な膜の様に一枚残しただけで、胎龍の精神作用を司どる瀕死の生体組織共が、一斉に作業を停止してしまったのだ。
— 小栗虫太郎 『後光殺人事件』 青空文庫
だが、彩畫の上に湧き上つた宮殿樓閣は、兜率天宮のたゝずまひさながらであつた。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫
だが、彩画の上に湧き上つた宮殿楼閣は、兜率天宮のたゝずまひさながらであつた。
— ――初稿版―― 『死者の書』 青空文庫