縵
縵
名詞
標準
文例 · 用例
卿雲爛たり糺縵々たり、といへる、煙にあらず雲にあらず紫を曳き光を流す、といへる、大人作矣、五色|氤、といへる、還つて九霄に入りてを成し、夕嵐生ずる処鶴松に帰る、といへる詩の句などによりて見れば、帰するところは美しき雲といふまでなり。
— 幸田露伴 『雲のいろ/\』 青空文庫
八縵・八矛のかぐのこのみを持つて、常世から帰りついた時は、既に天子崩御の後であつた。
— 異郷意識の起伏 『妣が国へ・常世へ』 青空文庫
桃の実や、櫛・縵の化成した筍・野葡萄の類が悪霊を逐うた神話などは、或種の植物に呪力があると見る以外に、精霊を満悦せしめる食物としての意味を、考へに入れて見ねばならぬ。
— 折口信夫 『餓鬼阿弥蘇生譚』 青空文庫
山の蔓草や羊歯の葉の山縵や、「あしびきの山の木梢」から取つたといふ寄生木の頭飾や、山の立ち木の皮を剥いで削り掛けた造り花などであつた。
— 折口信夫 『山のことぶれ』 青空文庫
吉事祓へは、畢竟たぶうの内的表現で、外的には、縵・忌み衣などを以て、しるしとした。
— まれびとの意義 『國文學の發生(第三稿)』 青空文庫
日本紀には、縵四縵・矛四矛を大后に奉り、縵四縵・矛四矛を御陵に奉つたとある。
— 折口信夫 『花の話』 青空文庫
橘の細い杖を撓めて鬘にし、八つの縵と八つの矛とを造つて、奉つたのである。
— 折口信夫 『花の話』 青空文庫
あの堆く布を捲き上げた縵は、山縵ではなかつた。
— 唱導的方面を中心として 『国文学の発生(第四稿)』 青空文庫