小鋏
こばさみ
名詞
標準
文例 · 用例
私はこれだけの事実を極度の注意を払って検査した上で、もう一度、岩形氏の枕元に在る注射器と茶色の小瓶と、ポケットから出た小鋏とを更る代る取り上げてみた。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
鋸、鉈、鉋、小刀、小鋏、さういふものをかれ等は皆な一人々々持つてゐた。
— 田山花袋 『歸國』 青空文庫
そのなかには青赤エンピツだの小鋏、万年筆、帳綴じの類が入っている。
— 宮本百合子 『机の上のもの』 青空文庫
「『まず御免なせえまし』そこへ入り込んで、どっかと胡坐をかいて黒い頭巾を投げ出したのは、なるほど裏宿の七兵衛でありました」「ちょっと、そこに縫ちゃんいますか」 爪を剪りながら大した感興もなく、油ののった米の声を聴いていた縫子は、小鋏を置いて襖をあけた。
— 宮本百合子 『縫子』 青空文庫
」 小鋏みの手をとめ、鞣外套を着ている素子からナターシャへ、ナターシャから素子へと視線をうつした。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
六ツばかりある引出しには、絃や、小鋏や、懐中持ちの薬入れに入れた、絃に塗る練油などが入れてあった。
— 長谷川時雨 『神田附木店』 青空文庫