旧本
きゅうほん
名詞
標準
文例 · 用例
その晩は真間田の駅で旧本陣の青木方に泊まる。
— 岡本綺堂 『寄席と芝居と』 青空文庫
ここで飯を食って出ると、途中で夕立、雷鳴、その夜は石橋駅の旧本陣伊沢方に泊まり、町へ出て盆踊りを見物する。
— 岡本綺堂 『寄席と芝居と』 青空文庫
ちょうど寿平次は正己を連れ、近くに住む得右衛門を誘い合わせ、祝日の休暇を見つけて山遊びに出かけた留守のおりであったが、年老いてまだ元気なおばあさんは孫のよめに当たるお里を相手に、妻籠旧本陣の表庭にいて手造りの染め糸を乾すところであった。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
半蔵の方で聞きたいと思っていたことも、それについての妻籠の人たちの意見であるが、お民はまず生家に着いた時のことから、あの妻籠旧本陣の表庭に手造りの染め糸を乾していたおばあさんやお里を久しぶりに見た時のことからその話を始める。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
いつものように夕飯の時が来ると、家のもの一同広い囲炉裏ばたに集まったが、旧本陣時代からの習慣としてその囲炉裏ばたには家長から下男までの定められた席がある。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
以前にお民が妻籠旧本陣を訪ねたおり、おばあさんや兄夫婦のいるあの生家の方で見て来たことは、自給自足の生活がそこにも始まっていることであった。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
もっと養蚕を励もうとさえ思えば、広い玄関の次の間から、仲の間、奥の間まで、そこには蚕の棚を置くこともできるような旧本陣の部屋部屋が彼女を待っていた。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
」 おまんの言う地所の譲り渡しとは、旧本陣屋敷裏の地続きにあたる竹藪の一部と、青山家所有のある屋敷地二|畝六|歩とを隣家の伊之助に売却したのをさす。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫