造顕
ぞうけん
名詞
標準
文例 · 用例
殊に夢殿の秘仏救世観世音像に至っては、限りなき太子讃仰の念と、太子|薨去に対する万感をこめての痛惜やる方ない悲憤の余り、造顕せられた御像と拝察せられ、他の諸仏像とは全く違った精神雰囲気が御像を囲繞しているのを感ずる。
— 高村光太郎 『美の日本的源泉』 青空文庫
いかに当時の仏像造顕そのものが国家の問題であり、又いかに造型意識そのものが直ちに信仰と倫理とにつながるものとして重大視されていたかを想見することが出来る。
— 高村光太郎 『美の日本的源泉』 青空文庫
日本古代の仏像造顕の絶大な勢力が日本彫刻の性質を千数百年に亙って決定した。
— 高村光太郎 『本邦肖像彫刻技法の推移』 青空文庫
これはすべて輪廻の造顕によることでござって、まして、限り知れたわれらの法力では、その呪いから遁れしむることはむずかしゅうござる」 と、たよりのないことをいう。
— 日高川 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
だから現存の薬師三尊も元明天皇の御代、即ち白鳳の末期|乃至は天平に近き頃の造顕であろうといわれている。
— 亀井勝一郎 『大和古寺風物誌』 青空文庫
* 薬師三尊は、前記のごとく皇后全快を叡感されて造顕した勅願の仏体である。
— 亀井勝一郎 『大和古寺風物誌』 青空文庫
少くともかかる情緒が、三尊を造顕した仏師の身についていたと云わねばならない。
— 亀井勝一郎 『大和古寺風物誌』 青空文庫
しかし私の最後に憧憬するのは、天平時代に入ってから、聖武天皇の造顕されし東大寺の大仏である。
— 亀井勝一郎 『大和古寺風物誌』 青空文庫