自立的
じりつてき
名詞
標準
文例 · 用例
遠隔地との交易を活力源として都市が勃興するに連れ、そこに台頭してくる新しい自立的な民衆が、書籍文化を支えるもう一つの柱を形成しはじめます。
— 富田倫生 『本の未来』 青空文庫
日本のように、明治以来、よろめきつつ漸々前進しつつある近代の精神を、精神の自立的成長よりテムポ迅い営利的企業がひきさらって、文学的精励、文壇、出版、たつき、と一直線に、文学商売へ引きずりおとしてしまう現象は、中国文学にまだ現れていないのではないだろうか。
— 宮本百合子 『春桃』 青空文庫
文化の上で愚民政策をとり、民族の自立的な文化能力をうちこわしつつある人が審査する教員の資格は、どこにめやすがおかれるものだろう。
— ――日本の文化のまもり―― 『三年たった今日』 青空文庫
女は英雄が好きという古来の皮肉は、女が自立的な人物評価の力を持たないことを語っているものであり、同時に歴史的に人の動きを把握する力を持たなかった今日までの文化の低さへの諷刺である。
— ――世界と日本の文化史の知識―― 『世代の価値』 青空文庫
自立的科学的な社会人として、社会のすべての事がらに判断をもち、よい社会を作るために献身する美を知ること。
— 宮本百合子 『日記・書簡』 青空文庫
女子の自立的運動は男子も進んで之を助けて欲しいと思ふ。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
アナトール・フランスが諷刺したように、空壜のように「行儀よく並んでつぎこまれる」のをおそわるのではなく、学びとる自立的な態度をもとめている。
— 宮本百合子 『若い人たちの意志』 青空文庫
そして、文学が創られてゆく過程では、下った質の読者に追随するのがわるいとして、では何処から自立的な作品を生んでゆくかと云えば、つまりは作家がどういう質の読者であるかということにかかって来るわけでしょう。
— 一九四一年(昭和十六年) 『獄中への手紙』 青空文庫