胴の間
どうのま
名詞
標準
文例 · 用例
胴の間の側に立っているこれもスマートな風体の男が装填発火の作業をする役割である。
— 寺田寅彦 『雑記(2)』 青空文庫
昼間ッからの霧雨がしとしと降りになって来たで、皆胴の間へもぐってな、そん時に千太どんが漕がしっけえ。
— 泉鏡花 『海異記』 青空文庫
「黙って、黙って、と理右衛門爺さまが胴の間で、苫の下でいわっしゃる。
— 泉鏡花 『海異記』 青空文庫
大きな船は舳から胴の間へかけて、半分ばかり、黄色くなった。
— 泉鏡花 『海異記』 青空文庫
胴の間じゃ寂りして、幽かに鼾も聞えるだ。
— 泉鏡花 『海異記』 青空文庫
おら胴の間へ転げ込んだよ。
— 泉鏡花 『海異記』 青空文庫
あやかし火さ、まだ舵に憑いて放れねえだ、天窓から黄色に光った下腹へな、鮪縄さ、ぐるぐると巻きつけて、その片端を、胴の間の横木へ結えつけると、さあ、念ばらしだ、娑婆か、地獄か見届けて来るッてな、ここさ、はあ、こんの兄哥が、渾名に呼ばれた海雀よ。
— 泉鏡花 『海異記』 青空文庫
さりとも小僧のみぎりはの、蒼い炎の息を吹いても、素奴色の白いはないか、袖の紅いはないか、と胴の間、狭間、帆柱の根、錨綱の下までも、あなぐり探いたものなれども、孫子は措け、僧都においては、久しく心にも掛けませいで、一向に不案内じゃ。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫