諧
諧
名詞
標準
文例 · 用例
利根の松原日曜日の晝わが愉快なる諧謔は草にあふれたり。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
そもそも世間は、あまりに日本人的なる、あまりに俳諧的なる「詩人」の観念から、いつまでたったら僕等を解放してくれるのか。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
何よりもその證據は、子供たちの悦ぶ映畫が、常に忍術使ひの出るチヤンバラ劇と、奇々怪々の夢に充ちた漫畫映畫と、ポンチ的諧謔のチヤツプリンとに限られてゐる。
— 萩原朔太郎 『童話と教育について』 青空文庫
また「鐘」といふ語は、日本人にとつては仏教寺院の幽玄な梵鐘を連想させるのに、西洋人にとつては耶蘇教寺院の賑やかな諧音的ベルを連想させる。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
喜べこの上もない音楽の諧調――飢に泣く赤ん坊の声、砕ける肉の響き、流れる血潮のどよめき。
— 葉山嘉樹 『牢獄の半日』 青空文庫
「市中は物のにほひや夏の月」これくらいの佳句を一生のうちに三つも作ったら、それだけで、その人は俳諧の名人として、歴史に残るかも知れない。
— 太宰治 『天狗』 青空文庫
育ちがいいとかいって、のっぺりした顔の、俳諧だか何だかお得意なんだそうで、あたしは、はじめっから気がすすまなかったのに、娘が惚れ込んでしまっているものだから、仕方なく一緒にさせたら、銭湯へ行ってそのまま家へ帰らないとは、あんまり人を踏みつけていますよ。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
なほまた翁の、あの行脚掟の中には、一、俳諧の外、雑話すべからず、雑話出づれば居眠りして労を養ふべし、といふ条項もあつたやうであるが、私はこの掟にも従はなかつた。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫