鶏声
けいせい
名詞
標準
文例 · 用例
月はようやく傾きて、鶏声ほのかに白し。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
早起、――虫声、鶏声、そして鐘声。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
眼が覚めると暁だつた、鶏声、鼓声、鐘声、おだやかに、おごそかに明けはなれた、――私は合掌黙祷した。
— 種田山頭火 『一草庵日記』 青空文庫
漢名|鶏というも鶏は稽なり、能く時を稽うる故名づくと徐鉉は説いたが、グリンムの童話集に、鶏声ケケリキとあったり、ニフィオレ島等で鶏をキオ、マランタ島等でクアと呼んだりするから推すと、やはりその声に因って鶏(キー)と称えたのだ。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
ミソル島で鶏の名カケプ(ワリスの『巫来群島記』附録)、マラガシーでアコホ(一八九〇年板ドルーリーの『マダガスカル』三二二頁)など、わが国で鶏声をコケコというに通う。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
鳥の音といえば専ら鶏声を指し居る。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
小石川の白山から、坂の上にたって、鶏声ケ窪の谷間をみわたすと、段々と低くなってゆく地勢とそこに高低をもって梢を見せている緑の樹木の工合がどこかセザンヌの風景めいた印象をあたえる。
— 宮本百合子 『藤棚』 青空文庫
白山の停留場に立っていると、昔から鶏声ケ窪と云われた窪地が今はじめて私たちの目の前に展開されている。
— 宮本百合子 『田端の汽車そのほか』 青空文庫