帰船
きせん
名詞
標準
文例 · 用例
「どうもありがとう、いずれ帰船して、相談いたしましてから」 三人は、礼を言って、ボーイ長は、波田に負われそこを出た。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
5 私が室蘭丸に帰船したのは午前三時に近かった。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
翌月の午後は、個人外出を許され、船の出帆時刻は、確か、七時でしたが、ひとりぼっちで歩いていても、面白くなく、帰ったならば、案外また、あなたに逢えるかとも思うと、四時頃からもう帰船しました。
— 田中英光 『オリンポスの果実』 青空文庫
夜五つ時頃人車に而帰船。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
浜の人々は、浪の音に逆つて、生れながらに喧嘩をしてゐるかのやうな喚き合ひの会話を取り交すのが習慣だが、今朝はあのやうに静かな浜辺だつたから樽野の筒抜けた声が帰船の合図に吹き鳴らされる法螺貝の音のやうに響いた。
— 牧野信一 『円卓子での話』 青空文庫
そのうち東六も恐ろしくなったか私に帰船を進め出しました。
— 国枝史郎 『赤格子九郎右衛門』 青空文庫
帰船だ」 事務長は、そういって、ノルマン船長に、型ばかりの挙手の礼をおくると、自分はいそいで、舷側に吊った縄梯子の方へ歩いていって、足をかけた。
— 海野十三 『火薬船』 青空文庫
では、帰船して、力のあるやつを、できるだけたくさんかり出しましょう」「うん、そうして呉れ、私も一しょに、君の船へいこう。
— 海野十三 『火薬船』 青空文庫