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引き外し

ひきはずし
名詞
1
標準
文例 · 用例
その瞬間|独帝は真青になつて、帽子から拳を引き外した、見ると、白い手首に真紅な血がたらたらと流れてゐる。
大正七(一九一八)年 茶話 青空文庫
」 実業家は蝸牛のやうに襖に吸ひついてゐた耳を引き外しながら、下らなささうに呟いた。
大正七(一九一八)年 茶話 青空文庫
大勢の兵隊が攻めて来ますよ」 王子はこれをきくと、すぐに表に走り出て見ましたが、忽ち塔の中に駈けもどって、右に左に折れまがった梯子段を、一つのぼっては引き外して投げおろし、二つのぼってはつき落して、塔の上まで昇ってくるうちに、階段が一つも無いように下の方へ落してしまいました。
夢野久作 オシャベリ姫 青空文庫
羊との競走 ところがどうしたのか羊がその野馬の走る勢いに驚いて私の持って居る手綱を引き外して逃げ出した。
河口慧海 チベット旅行記 青空文庫
夜の九時頃、寺の者が大概寝静まって了うとウヰスキーの角壜を呷って酔いを買った後、勝手に縁側の雨戸を引き外し、墓地の生け垣を乗り越えて散歩に出かけた。
谷崎潤一郎 秘密 青空文庫
軍兵衛は抑えられた太刀を引き外して躍り打つと、武蔵はまたその太刀をかわして前と同じように二刀で上から圧したまま後へ退がって行った。
吉川英治 随筆 宮本武蔵 青空文庫
――(この枇杷の樹が、馴染の一家族の塒なので、前通りの五本ばかりの桜の樹(有島家)にも一群巣を食っているのであるが、その組は私の内へは来ないらしい、持場が違うと見える)――時に、女中がいけぞんざいに、取込む時|引外したままの掛棹が、斜違いに落ちていた。
泉鏡花 二、三羽――十二、三羽 青空文庫
いかなこッても、勝手が分らねえけりゃ、店の洋燈でも引外してござれば可いに。
泉鏡花 黒百合 青空文庫