諸声
もろごえ
名詞
標準
文例 · 用例
――お立ち――、(陰より諸声。
— 泉鏡花 『天守物語』 青空文庫
車夫は諸声に凱歌を揚げ、勢いに乗じて二歩を抽き、三歩を抽き、ますます馳せて、軽迅|丸の跳るがごとく二、三間を先んじたり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
」 といまだいひもはてざるに、満堂|忽ち黙を破りて、哄と諸声をぞ立てたりける、喧轟名状すべからず。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
諸声に、「ふァふァふァ、」「うふふ、」「あはははは。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
)と聞く時分から、テケテケテン、テトドンドンと、村のどこかで……遠い小学校の小児の諸声に交って、静に冴えて、松葉が飛歩行くような太神楽の声が聞えて、それが、谺に響きました。
— 泉鏡花 『河伯令嬢』 青空文庫
」「あれ、」とけたたましく諸声に叫ぶのを耳にも入れず、蝶吉はそのまま腕を伸して、「不可ません、不可い、不可いよ、」と蹌踉ける足を引摺って、「畜生、私より先へ行くッて法があるかい。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
」 と若い女が諸声で、やや色染めた紅提灯、松原の茶店から、夕顔別当、白い顔、絞の浴衣が、飜然と出て、六でなしを左右から。
— 泉鏡花 『浮舟』 青空文庫
」 といまだ謂いもはてざるに、満堂たちまち黙を破りて、哄と諸声をぞ立てたりける、喧轟名状すべからず。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫